クーベルチュールチョコレート

日本で売られているチョコレートには、「準チョコレート」とよばれているものがあります。
普通の「チョコレート」との違いは、カカオバターの含有率が三パーセントしかなく植物性油脂が十五パーセントも含まれているところです。

ヨーロッパでは、植物性油脂が五パーセント以上含まれているとチョコレートとして認められません。
その五パーセントでさえ、ヨーロッパ諸国では論争となっているのです。

一方、クーベルチュールは、カカオバターが三十一パーセント以上・植物性油脂ゼロで、カカオ本来のおいしさとまろやかさを存分に堪能できる幸せのチョコレートです。

チョコレートを愛するヨーロッパ諸国の人々にとっては、クーベルチュールこそがチョコレートの基準といっても過言ではないでしょう。

クーベルチュールとはもともとフランス語で「覆い」という意味で、製菓用として加工されることを目的に作られています。
クーベルチュールチョコレートの最大の特徴は、一般のチョコレートでは味わえない、その口溶け。
その口溶けの元となっているのが、原料のカカオバターです。

カカオバターは常温では固体ですが、28℃前後で溶け始め、30℃で完全に溶けてしまう性質を持っています。
このため、口の中に入れるとチョコレートが急激に溶けはじめ、チョコレート本来の粒子の細かさと相まって、チョコレート独特の口どけが感じられるのです。