新潟の特産品とは・・・

「かさ地蔵」という民話があます。
あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいて、
師走にお正月のお餅を買うために
おじいさんが、笠と織物を街に売りに行くんだけど、
結局売れなくて帰りに寒そうにしているお地蔵様に
笠をかぶせて、織物を着せて、そのまま帰ってくる。
お正月のお餅を買うことはできなかったけれど、
おじいさんがお地蔵様にしたことをおばあさんに話すと、
「それはいいことをしましたね」
と言われる。
その晩、おじいさんとおばあさんが寝ていると、
お地蔵様がやってきて、
笠のお礼に、お餅やご馳走を置いていってくれる、
そういう民話。

その「かさ地蔵」の"新潟バージョン"というのを、
たまたま聞きました。
だいたいは前述した内容と同じなのですが、
最後が微妙に違っていました。

夜中にお地蔵様が、
おじいさんとおばあさんのもとにお礼に来るのですが、
お餅やご馳走を置いていくだけでなく、
いろりにくめる薪がなかったので、
薪がなくなっても、いろりの火がずっと消えないように
というサービスまでお地蔵様はしていったそうです。

薪がなくなってもいろりの火が消えないというところが、
新潟県の特産品である「天然ガス」にかかっているのだそうです。
でも、この民話が生まれたのは、おそらくずいぶん昔。
その一方で、「天然ガス」が採掘されるようになったのは、
民話ができてからずっと後のことのような気がします。
つまり、もともとの民話が出来たのと、
天然ガスが新潟の特産品になったのとは、
タイミングが違うはず。

この新潟バージョンの「かさ地蔵」を聞いた時、
どの時点で、どういう経緯で、
もともとの「かさ地蔵」という民話が"新潟バージョン"に
作り変えられたのか、
そのことが私は気になりました。